
絵本の読み聞かせについて知りたい!

読み聞かせってどうしたらいいの?

子どもに考える力をつけてあげたい!
といった考えをお持ちの方もいるのではないでしょうか?
でも、読み聞かせの方法ってどこかで教えてくれるものじゃないので分からないですよね。
そんな子どもの絵本の読み聞かせ方について知りたい方におすすめの本があります。
この記事では、子どもへの読み聞かせについて参考になる『ハーバードで学んだ最高の読み聞かせ』という本を紹介します。
この記事を読むことで以下の内容を理解することができます。
- ダメな読み聞かせ方がわかる
- 読み聞かせで身につく力が何かわかる
- 読み聞かせ方がわかる
ぜひ、最後まで読んでいただき社会で生き抜く力を身につけるための読み聞かせを実践してみてください。
読み聞かせは自分自身で考える力がつく

読み聞かせをすると子どもが将来、社会に出たときに必要な自分自身で考える力が身につきます。
ただし、一般的な親が子どもに絵本の内容を読んで聞かせるだけでは効果はありません。
じゃあ、どうすればいいのか?
今回紹介する本の内容に「ダイアロジック・リーディング」という言葉が出てきます。
「ダイアロジック・リーディング」とは、子どもと話しながらする絵本の読み聞かせと説明されています。
本書では、子どもの能力を伸ばすための読み聞かせについて次のように説明しています。
絵本は子どもに新しい語彙や表現を教える最高の教材です。(中略)
「ダイアロジック・リーディング」を実践すると、ことばの発達だけでなく、「伝える力」や「思考力」「読解力」をはじめとする、社会を生き抜いていくための基礎力となる、さまざまな能力を育むことができます。
参考:『ハーバードで学んだ最高の読み聞かせ』P24~P25
今まで、絵本は何となく子どもに読んでいました。
でも、アメリカでは子どもに言葉を教えるための教科書として考えられているそうです。
この親の考え方の違いは大きいと感じました。
だから、今からは絵本をただ読むだけではなく、子どもに社会を生き抜く力をつけるための方法だと考えるようになりました。
「考える力」と「伝える力」が身につくから

本書の読み聞かせを実践することで、子どもが「考える力」と「伝える力」を身につくことができます。
社会にでれば、与えられた仕事をこなすだけでは評価されません。
自分で考え課題を解決できるような考えを伝えられる能力がもとめられるはずです。
本書では、絵本の読み聞かせによって「考える力」と「伝える力」が身につくと説明しています。
こうした問いかけをされながら絵本を読むことが習慣になると、いずれ1人で本が読めるようになったとき、話の表層をなぞるだけではなく、「自分なりの感想」を持ちやすくなります。
つまり、「考えながら情報に接すること」が癖になる。これが「自分で考える力」の礎になります。(中略)
子どもたちは自分の考えていることをことばにして表現する訓練をしつつ、人によっていろいろな意見があることを自然と学んでいきます。
これが「伝える力」の発達につながるのです。
参考:『ハーバードで学んだ最高の読み聞かせ』P43
大学でグループディスカッションやプレゼンなど、今までやってきた経験がなくて苦労したことを覚えています。
日本人は人前で話すことや自分の考えを主張することが苦手だと言われます。
でも、これからの時代は自分の考えをしっかりと言える人間が評価される時代です。
これからの時代を生きる子どもたちが自分の力を発揮できるようにまずは絵本の読み聞かせから実践してみてはどうでしょうか?
本の読み方が身につくから

学校を卒業しても勉強する機会はでてきます。
むしろ、社会に出てからの方が勉強する必要があるでしょう。
そんなときに本の読み方がわからないと苦労します。
本をただ読んだだけでは意味がないですよね。
その本に何が書いてあり、本の内容を実践して効果が得られないと読んだ意味がありません。
本書では、読み聞かせによってえられる読み方について次のように説明しています。
「読解力」に必要なことは、文字情報を追いかけながら、並行していろいろなことを考える力です。
主人公はどんな心情なのか?
どんな因果でこのような話の展開になったのか?
物語が終わったあと主人公はどうなったのか?(中略)
読書週間で本当に大事なのは「量」ではなく「質」。「どれだけ読むか」ではなく「どう本を読むか(=本の読み方)」です。
参考:『ハーバードで学んだ最高の読み聞かせ』P49~P50
つい量をこなしただけで出来た気になってしまうことがありませんか?
確かに物事を覚えるときは一定量が必要になります。
でも、効率良く能力をえようとしたら質にこだわる必要があるんです。
子どもが本の読み方を覚えるためにも読み聞かせ方を意識する必要があります。
読み聞かせについて教わる機会がない


自分の読み聞かせ方が悪いんだ
と、落ち込んだ方もいるかもしれません。
でも、日本では子どもの能力をのばすための読み聞かせ方を教わる機会がないのです。
アメリカでは、子どもの将来に危機感をもち絵本の読み聞かせをするそうです。
本書では、日本の読み聞かせについて次のように説明しています。
日本のように、本を好きになってもらいたい、豊かな感性を養いたい、といった目的が主ではなく、アメリカの親ははっきりと「ことばを教えるために絵本を読み聞かせる」という目的を持っているのです。
アメリカの親は、「きちんと教えなければ、自分の子どもが文字を読み書きできるようにならない」という危機感を切実に持っています。
だから、「勉強」として絵本の読み聞かせをするのです。
参考:『ハーバードで学んだ最高の読み聞かせ』P31
終身雇用が当たり前の時代であれば、子どもの将来に危機感をもつ必要がなかったのかもしれません。
でも、今は大企業や銀行でも倒産する時代です。
子どもがどんな企業、あるいは企業に頼らなくても生きていける大人に成長してほしいと願います。
そのためにも、まずは絵本の読み聞かせ方について本書に書かれている内容から実践してみてはどうでしょうか。
社会で生き抜くための5つの能力をのばす読み聞かせ方

子どもが社会を生き抜く力をもつために必要な能力をのばす必要があります。
そのためには、本書で紹介している絵本の読み聞かせ方を実践してみましょう。
本書では、以下の5つの伸ばし方を解説しています。
- 「見る力」をのばすための読み聞かせ方
- 「聞く力」をのばすための読み聞かせ方
- 「知識・語彙力」をのばすための読み聞かせ方
- 「考える力」をのばすための読み聞かせ方
- 「伝える力」をのばすための読み聞かせ方
それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
1.「見る力」をのばすための読み聞かせ方
本書の絵本の読み聞かせでのばせる能力のひとつが「見る力」です。
「見る力」は観察力、注意力や感受性のことをいいます。
「見る力」の能力が高いと、ひとつの事柄から得る情報量が多くなります。
本書では、「見る力」をのばすための読み聞かせ方について次のように説明しています。
「見る力」はとは、視覚情報の選別(=意識の向け方)をコントロールする能力のことです。(中略)
その能力は子どもの観察力・注意力の向上に役立ち、ひいては感受性(雑多な視覚情報のなかから意味のある情報を抽出する力)を高めることにつながります。(中略)
「見る力」を伸ばす問いかけ(例)
「どんな動物がいるかな?」
「手に何を持っているかな?」
「ちょうちょは何羽いるかな?」
「てんとう虫がいるんだって。見つけて!」
「この子、どんな表情をしているかな?」
「この子は何をしようとしているのかな?(+なぜそう思うかな?)」
「寒いかな、暑いかな?(+なぜそう思うかな?)」
「この子たちは楽しいのかな、悲しいのかな?(+なぜそう思うかな?)」
参考:『ハーバードで学んだ最高の読み聞かせ』P142~P147
知らず知らずのうちに「これは、てんとう虫だね!」
といったように、親から答えを言ってしまいます。
子どもに考えて意識を向けさせることが必要になります。
2.「聞く力」をのばすための読み聞かせ方
本書の絵本の読み聞かせでのばせる能力のひとつが「聞く力」です。
「聞く力」は傾聴力、集中力や記憶力のことをいいます。
本書では、「聞く力」をのばすための読み聞かせ方について次のように説明しています。
聴覚は小学校に上がるまで(3歳~6歳くらいまで)の期間に大きく発達することが知られています。(中略)
読み聞かせ時の対話を通じて物語を多角的かつ分析的に捉える癖をつけておけば、その子が今後、人の話を聞いているときや1人で本を読むようになったときも、自分なりに考えられるようになります。
人の話を黙って聞くことは、しつけの観点からはいいことかもしれませんが、子どもの将来を考えたときに本当に大切なことは、人から言われたことや書かれていることを無批判に受け入れることではなく、主体的に考えられるようになることではありませんか?
参考:『ハーバードで学んだ最高の読み聞かせ』P149~P151
社会人になってよく言われることですが、人の言うことを批判的に聞いて本当にそうなのかと、自分なりに考えることが大切です。
子どものときに、考える癖がついているかどうかで将来に大きな影響があります。
3.「知識・語彙力」をのばすための読み聞かせ方
本書の絵本の読み聞かせでのばせる能力のひとつが「知識・語彙力」です。
本書では「知識・語彙力」をのばすための読み聞かせ方について次のように説明しています。
絵本は子どもに新しい知識や語彙を教える格好の教材です。(中略)
知識偏重の教育はたしかに問題ですが、どれだけ思考力があっても知識や語彙力がなければ深い思考や適切な判断ができません。(中略)
ある女の子が、お姫様がきれいなドレスで登場するシーンを見て「舞踏会みたい」とコメントしたことです。
「舞踏会」という普段の会話には出てことないことばを習得していることに驚かされただけではなく、「〇〇みたい」と、自分の知っていることと絵本に登場する物事を比較できる能力が育っていることもわかりました。(中略)
「知識・語彙力」を伸ばす問いかけ(例)
「これは何?」
「これは何色?」
「この人、何をしているかな?」
「〇〇って知ってる?」
「〇〇って△△のことなのよ」
「〇〇について一緒に調べてみようか!」
参考:『ハーバードで学んだ最高の読み聞かせ』P154~P158
確かに、子どもと接しているといつの間に覚えたんだろうと驚くことがあります。
絵本を通してどんどん知識や語彙を吸収していってほしいものです。
4.「考える力」をのばすための読み聞かせ方
本書の絵本の読み聞かせでのばせる能力のひとつが「考える力」です。
「考える力」は論理的思考力、分析力、想像力、想像力、俯瞰力や応用力のことをいいます。
本書では「考える力」をばすための読み聞かせ方について次のように説明しています。
ダイアロジック・リーディングにおける大人からの問いかけによって、最も伸ばせる能力が「考える力」です。(中略)
そもそも考える力は、いままで子どもが考えたことがなかったようなことを半ば強制的に考えさせることによってはじめて鍛えられます。
そうした負荷を微調整できるのは、子どもの発育を間近で見ている親なのです。(中略)
物事をロジカルに考えられるようになると、「見る力」や「知識・語彙力」といったほかの能力も駆使しながら状況を分析したり、事の顛末を予測したりすることが少しずつ得意になっていきます。(中略)
「考える力」を伸ばす問いかけ(例)
「〇〇ちゃんはどう思う?」
「このお話の季節はいつだと思う?」
「〇〇ちゃんならどうする?」
「この子、どんな気持ちだろう?」
「なんでこうなったと思う?」
「じゃあ、どうすればよかったのかな?」
「○○ちゃんも、こんなこと経験したね。そのときどう思った?」
参考:『ハーバードで学んだ最高の読み聞かせ』P159~P164
論理的思考力と聞くと、子どもには早いと思いがちですが考える癖をつけるのは大切です。
5.「伝える力」をのばすための読み聞かせ方
本書の絵本の読み聞かせでのばせる能力のひとつが「伝える力」です。
「伝える力」は文章構成力、主張する力、表現力や書く力のことをいいます。
本書では「伝える力」をのばすための読み聞かせ方について次のように説明しています。
「伝える力」を鍛えておけば、子どもが自分で文字を書けるようになった段階で、その能力はそのまま「書く力」へと転換されますし、大人になってからのプレゼン力やディベート能力の土台にもなります。
「伝える力」は、「考える力」と並んで、来たる多様化社会において不可欠となる非認知スキルです。(中略)
「伝える力」を伸ばす問いかけ(例)
<2・3歳向け>
「そう。赤い消防車ね。”あかいしょうぼうしゃ”って言える?」
「どんな動物がいるか、教えて!」
「○○ちゃんがこんなことをされたらどう思う?」
<4・5歳向け>
「どんなお話だったか、教えて!」
「じゃあ次のページは○○ちゃんが読んでくれる?」
「どのページがいちばん好きだった?それはなぜ?」
「今日はこの絵本、ママ(パパ)に読んでちょうだい」
参考:『ハーバードで学んだ最高の読み聞かせ』P165~P168
日本人の多くがしゃべることが苦手なイメージがあります。
子どものうちから、自ら考えて発言する癖がついているだけでも将来に大きな能力となる可能性があります。
社会で生き抜く力がつく!『ハーバードで学んだ最高の読み聞かせ』加藤映子まとめ

子どもにどんな声かけをして絵本を読み聞かせるかで、子どもに社会で生き抜くための能力を身につけられるかが決まります。
ただ絵本の内容を聞かせているだけだと、子どもが考えたりしゃべる能力が鍛えられません。
親の言うことを受け入れることがダメではないですが、「本当にそうなの?」と考えてはじめて自分の考えが身につきます。
子どもに「考える力」や「伝える力」を身につけたいと考えているなら、ぜひ『ハーバードで学んだ最高の読み聞かせ』の内容を実践してみてください。
コメント